GRL×齊藤工独占インタビュー

齊藤工 映画業界にずっと籍をおきたかった

GRL(以下G):まず齊藤さんは元々、映画監督希望だったんですか?

齊藤工さん(以下S):いえ、そういうわけではないですが、映画業界にずっと何らかの形で籍を置きたいとは思っていました。

G:じゃあ、その入り口が俳優(演者)ということですね。

S:そうですね。

G:実際、俳優と映画監督の違いってどういったところだと感じますか?

S:違いって、そんなにないと思います。海外だと、俳優が映画監督を兼任するというのは、よくある話です。それが日本では俳優は俳優という美学があるし、ひとつの職を全うする美しさもあると思います。ただ、自分は、触発されたイーライ・ロスなどのクリエイターが映画監督であり俳優であるということもあり、もっといろんな角度から映画と向き合えたらと思ったんです。演じるだけだと本当に自分と映画の距離が正しいのかと、疑問でしかなかったので。今、色々と模索しているところです。

G:まだ兼任することの意義など、その答えは出てないですよね?

S:答えはずっと出ることはないと思います(笑)。今回『blank13』を撮って、ロシア(第15回ウラジオストク国際映画祭)で俳優として賞をいただくなど思わぬご褒美がありました。海外の映画祭は題材も含め、賞を頂けたらありがたいことだと思っていたんですが、それが実際カタチになってきて、いまだに驚きではあります。
たぶん、自分のやりたいことをみんなができれば美しいと思いますが、自分に合っていることってなかなか出会えてないことが多いと思うんです。"こうである"という感情に押し込められて、自由が利かなくなっている状況にあると思うんです、特に日本人は。その中で、自分も俳優という職業についていて、そういう状況になってきているとどこかで感じていて。今は多角的に距離を測っているところではあるんですけど、海外のクリエイターは当たり前にしていることなんです。ひとつの職業というよりも俳優という職業は見方によってはフリーターと同じくらい柔軟性が利くと思うので、様々なものが付随してしかるべきだと思うんです。

齊藤工 多角的に色々と見つめているという段階

G:今現在もその部分を模索中ということですね。

S:その人にフィットしているものを見つけると気持ちいいじゃないですか。農家の方とか伝統工芸の職人の方は、外から見て、無理してそこに寄せている感じがしなくて気持ちいいんです。今は自分がフィットしている確証がないのですが、とはいえ映画という軸からは離れられないので、多角的に色々と見つめているという段階です。

G:今回、映画監督として初の長編映画を撮られたわけですが、こだわった部分を教えてください。

S:今回、監督として撮ったのは7本目で、ありがたいことに過去の作品もセルビアとか海外で賞をいただいたりしてきたのですが、日本では全く話題にならず、取り上げてくれたメディアも数えるほどで、「ニーズがないんだな」と思いました。それが2〜3年前なので、逆に燃えてきた部分はありました。

G:齊藤さんの中ではもどかしい部分があったんですね。

S:もどかしいというか、結局、お前は"壁ドン俳優"のジャンルでいればいいんだ……みたいな、メッセージが聞こえてきて、これは逆にバネになるなと思ったんです。こうやって言ってきた人たちが無視できないようなものを作ればいいんだなって思いました。これはネガティブな意味ではなくて、日本の芸能界やメディアの特徴だと思います。その人の肩書や配色が1色でしか見られない場所で、無視できないものを作ろうと思って、始動したのがきっかけです。『blank13』は友人の実話なので、シンプルに形にしたいなという思いもありました。作品の新しいビジュアルには協力を申し出て下さった福山雅治さんの名前がクレジットに入っていたり、先日(第10回したまちコメディ映画祭in台東)の舞台挨拶では出演しているわけではないのに山田孝之さんが駆けつけて下さったり、色々な垣根を超えた映画の生まれ方や届け方ができているのも面白いですよね。スルーされるかもしれない自分のアクションで、どう次の手を打っていくかは常に意識していますね。

齊藤工 無視できないものを作ろうと思った

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齊藤工

1981年生まれ。モデルとして活動後、2001年に俳優デビュー。出演作は映画『昼顔』(17年)『去年の冬、きみと別れ』『蚤とり侍』(18年)、ドラマ『BG 身辺警護人(仮)』など。2018年2月公開の『blank13』は上海国際映画祭をはじめとする数々の海外の映画祭で高い評価を得る。近年は国内に限らず海を越えての移動映画館『cinema bird』の活動も話題に。

『blank13』(2017年/日本/70分/クロックワークス)

監督:齊藤 工 出演:高橋一生、松岡茉優、斎藤 工、神野三鈴、佐藤二朗  リリー・フランキー 他

13年前に突然失踪した父が余命3カ月で見つかった。借金を残し消えた父に母と兄は会おうとしなかったが、キャッチボールをしてくれた優しい父の記憶が忘れられないコウジは病院へ向かい再会を果たす。しかし、2人の間にある13年間の溝は埋まらないまま、父はこの世を去ってしまう。果たして父は13年間なにをしていたのか?もう取り戻せないと思っていた13年間の空白が、葬儀当日の参列者が語る父親のエピソードで、 家族の誰も知らなかった父親の真実とともに埋まっていく…

[staff credit]

writer:牛島 康之(NO TECH)

photographer:太田 泰輔

stylist:川田力也(es-quisse)

hair&make-up:赤塚修二(メーキャップルーム)

[衣装協力]

ジャケット、パンツ、シューズ/ヨウジヤマモト(ヨウジヤマモト プレスルーム 03-5463-1500)

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